SV650で沖縄ツーリングに行ってきました(名護~辺戸岬~サンライズ東~大浦~許田~本部~名護)

<SV650で行く長距離ツーリング32>

予定ルート


沖縄ツーリングの最終日は本島北部を走っていこう。


12/29(水)

■ 沖縄最北端、辺戸(へど)岬に行こう
今日は沖縄ツーリングの最終日。朝、天気予報を見ると本土も今日から寒さが和らぐらしい。明後日大晦日の朝に鹿児島に戻る予定だが、それまで寒さはないようなので一安心だ。
肝心の今日の天気はやっぱり雨模様。今日は雨が降らないうちに走れるところを走って、雨が降ってきたら室内に避難するという方針にしよう。
ということで、いつもより少し早く朝7時半にチェックアウトする。空を見ると既に微妙な雰囲気。予定では午後の早いうちから雨とのことだが、この空を見ると午後まで天気が持ちそうにない気がする。
相棒と合流して早速、本島北部に向けて出発する。沖縄最終日の今日は本島最北端の辺戸(へど)岬へ向かおう。
名護市街地を抜けて恒例の国道58号へ。
国道58号に入り北上していくが青い空はほとんど見えない。とりあえず雨が降らない事を祈りつつ、進んでいく。
昨日の夕方に通った道を淡々と走る。雲が多くて陽は当たらないけど寒さは感じない。この4日間で年末でも沖縄は快適にツーリングできることがよくわかった。あとは天気が良ければいいんだけどね。

(冬の沖縄の天気は本当にイマイチというのもよくわかった)
途中、カニ注意の看板が出てきた。牛注意とかウミガメ注意といった看板は見たことがあるが、カニ注意というのは聞いたことがない。ただ、よほど大型のカニでもない限り、注意しても見落としてしまいそうだ。
道の駅「ゆいゆい国頭」という道の駅があるらしい。まだ店は開いていないと思うが、国頭村の情報を仕入れるために少し寄ってみよう。
道の駅「ゆいゆい国頭」へ。ここは国頭村にある道の駅で沖縄本島最北端の道の駅らしい。(ということはこの先は辺戸岬まで目ぼしい休憩場所はないということ)
中に入ると不思議な銅像が立っている。というか座っている?なんだろ、これ?

よく見るとヤンバルクイナのようだ。なぜ重量挙げ?何らかのイベントを記念しての作り物だと思うが、このセンスはボクには理解できないよ。(笑)
国頭カレンダーという行事と生物の年間時期を記載した看板がある。その地域を知ることができるこういう案内板は素晴らしいと思う。こっちはセンスあるよ。知らない動物が多いけど、さっきのカニに関する記載はないようだ。ヤンバルクイナは春から夏にかけて繁殖期らしい。
沖縄の道の駅らしく、タコライスとかハンバーガーとかアメリカの店も多い。何となく昭和50年代という感じの雰囲気だが、昔、おふくろが沖縄へ社員旅行に行ったときに本土より10年遅れていると言っていたのを想い出した。(1985年ぐらいだったかな。1週間ぐらい沖縄に行っていたと記憶) 2021年の今現在は本土と比べて遅れているという感じは一切ないけどね。
さて、再び辺戸岬に向かおう。天気は已然変わらないが雨はまだ大丈夫そうだ。
国道58号を北上していると案内板に辺戸岬より先の場所が出てきた。「奥」という地名だが最北端から東側に南下した場所のことだろう。
国頭村の市街地を越えて北上していく。今まで見てきた沖縄の雰囲気とは異なり、かなり寂しい感じになってきた。南部と北部は180度雰囲気が違うよ。
辺戸岬まで10キロを切った。あの先端にあるのが辺戸岬っぽい。
いつの間にか民家がなくなって最北端らしい雰囲気になってきた。もう少し・・・。
程なくして沖縄最北端の辺戸岬に到着。名護から50キロで大体1時間ぐらいだったが、昨日までと違ってすこぶる快走できた。クルマも数台いるようだ。
 
■ 辺戸岬~展望台まで
辺戸岬を歩いていこう。狭い沖縄にあって見渡せるぐらい広い土地は米軍基地しかなかったが、ここはかなり広い。先に何かの碑が立っているのがわかる。
沖縄最北端の海が見える。今まで沖縄で見てきた青い海ではなく結構深い色。向こうは鹿児島県の与論島らしい。
国頭(くにがみ)村の案内がある。狭い沖縄本島でかなりの面積を占めるが離島を除くと県内2位とのこと。(1位は名護市) 西側は国道58号が那覇からこの先の奥地域まで通っていて、奥地域から東側が県道70号になるらしい。

国道58号が沖縄一周していないのは海上国道として奄美市や種子島を経由して鹿児島市まで通っていることになっているから。なので実は日本で一番長い国道は国道1号(東京~大阪)や国道4号(東京~青森)ではなくて国道58号なのだ。(距離の7割は海上なので実際は国道4号が最長) さらに2桁国道で一番大きな数字らしい。(59号~99号までは欠番)
沖縄返還の碑だ。沖縄が日本に返還されたのは1972年で今から約50年前。ボクが生まれたのは1975年(昭和50年)だからそのときには既に返還されていたが、今も米軍基地の多さを見るとまだ完全に返還されたようには見えない。生まれた時代が違う為、戦争時代の理不尽な様は書見でしか知ることができないが返還前の米軍による差別的な出来事は日常茶飯事であったという。
沖縄島最北端の地、辺戸岬。ここから鹿児島県最南端の与論島までは直線距離で約22キロだが、本土最南端の佐多岬までは直線距離で約520キロもあるので鹿児島~沖縄間の海域のほとんどは鹿児島県ということになる。とはいっても沖縄県も石垣島を越えた与那国島や大東諸島まで県内なので鹿児島県以上に広いと思う。
辺戸岬を歩いたあとは辺戸岬からすぐ近くにあるヤンバルクイナ展望台に行ってみよう。ボクのナビでは正確な場所がわからないので相棒のスマホナビに頼ろう。辺戸岬から脇道へ。
海岸線の脇道を走る。
小さな建物がでてきた。ここを右折する。
かなり急なカーブ坂登っていく。見た目以上に勾配がキツイ。降りるときは神経を使いそうだ。

(原付やクルマなら問題ないんだけどね。大型バイクだとこれほど急な下り坂だと神経を使う。運転技術はそんなに高くないのだ)
坂を上った先の駐車場に到着。ここにも先客がいるらしい。
ヤンバルクイナ展望台にやってきた。像の大きさに圧倒されるが高さは11メートルもあるらしいが、なぜこんなに大きいのを建てたのかね? 道の駅「ゆいゆい国頭」のヤンバルクイナ銅像といい、こちらもそのセンスに脱帽するよ(笑) ちなみにそのヤンバルクイナは国頭村にしかいない貴重な鳥だが現在はマングースの駆除が功を奏したのか少しずつ生息数が増えているらしい。

■ 東側を南下していこう
ヤンバルクイナ展望台から今度は本島東側経由で南下しよう。西側を南下する場合は名護市まで95キロ。西側の国道58号だと50キロだからほぼ倍の距離。かなりの遠回りだ。
ヤンバルクイナの注意看板が出てきた。一昨日見た道の駅「許田」の記事でヤンバルクイナのロードキルが問題になっていたが、万が一の事があっては大変なので慎重に進もう。
とうとう雨がパラついてきた。天気はそれほど黒い雲ではないが、名護を出てから天気が益々悪化している感じだ。
国道58号で奥地区に来た。沖縄本島の最北端の集落らしいが、本島最南端側と比べると相当寂しい。ここに来るまでにクルマもほとんどすれ違わない。
道路は変わらないが、奥地区の橋から国道58号が県道70号に変更になる。そのまま南下していこう。
奥地区を離れて再び森の中を走る。ツーリングとしては最適な道路だが旅行だとわざわざここに来ないだろうね。沖縄らしい明るいレジャーな雰囲気は一切ない。
どんどん南下する。本当に何もないね。沖縄なのに北海道の道路を走っている感覚になるよ。そして冬なのに枯木がないのも特徴の一つ。
県道2号の分岐点が出てきた。県道2号に行くと西側の国道58号に出られるようだが、そのまま直進する。
安波地区まで来た。所々集落が出てくるが信号が一切ないのでひたすら走りっぱなし。コンビニ類の店は一切見掛けないので休憩するタイミングがない。
雨が若干強くなってきた。合羽を着るほどではないのが救いだが、このまま合羽なしで走れるかどうか・・・。(合羽は極力着たくない)
国頭村を抜けて東村に入った!ずっと走りっぱなし。
パイナップルの看板が見えるが東村はパイナップルが名物らしい。
サンライズひがしというところで休めそうだったのでここで休憩しよう。

辺戸岬から休憩できそうな所がなかったのでひたすら走ってきたよ。60キロぐらい走ったが初日からあまり走っていなかったので久々に長距離走った気がする。

沖縄県は南部に人口の8割が集中していると聞いていたが、実際に北部を走ると信号すらなくて人口が少ないということがよく理解できた。南部で散々巻き込まれた渋滞が嘘みたいだよ。

名護市から西側を北上して最北端から今度は東側を南下してきた。
■ サンライズひがし~大浦まで
東村の案内図がある。東村はパイナップルが名物で県内でも生産量1位。パイナップルの国内生産は99.9%が沖縄県なので県内1位=(イコール)日本1位なのだ。パイナップル好きのボクにとっては素晴らしい場所だが何度も書いている通り、今は時期外れ。パイナップルを食べたければ夏に沖縄に来ないとダメだね。
次期外れだがさすが東村。パイナップルが若干並んでいる。ただ、小さい上に色もイマイチ。
この時期は酸味が強いらしいが、試食はすでになかった。残念。
天気がホントに悪いね~と相棒と話をしていたら、その声が天に聞こえたのか急に凄まじい雨が降ってきた。これは完全にゲリラ豪雨。ずっと微妙な天気が続いていたので心配はしていたがとうとう本格的に降り始めてきた。軒先にいたのでこの雨に打たれなかったのは良かったが、この勢いだと完全に足止めだ。
時刻は11時前。雨がある程度弱くなるまで動くことはできないので少し早いがここで昼食にしよう。周辺は店らしい店もなくて他に食べるところもなさそうだからね。
東ぬ浜(あがりぬはま)という食堂で沖縄そばと天ぷら5品を頼んでみた。沖縄そばの味は大衆向けといった味だがシンプルで地味に美味い。天ぷらは衣が厚くて若干揚げ物に近い感じだが、沖縄の天ぷらは衣が厚いのが一般的らしい。肝心の味は天ぷらと揚げ物の間といった感じの食感でこちらも美味い。その中でも紅いもの天ぷらが特に美味かった。
さて、今日泊まるホテルの場所をどうするか。明日は本部から鹿児島行きのフェリーを予約しているが一番怖いのは条件付き運行で本部をパスされることだ。(極稀に本部をパスすることがあるらしい)

そして明日のフェリーが今年最後の運行らしく万が一、明日フェリーに乗れないと1月2日まで足止めを喰らうことになる。正月の沖縄も悪くはないが、相棒と違って家族持ちなのでそれは避けたい。

那覇だと条件付き運行でも必ず出航するだろうから那覇まで行けば間違いないが、雨の中、那覇まで走るのは辛いので本部から出航されることを期待して予定通り名護に宿泊することにしよう。(フェリー会社に連絡すると昼過ぎには運行ルートが決定するとのことだったので昼過ぎにHPを確認してくださいとのこと)
ということで名護市にホテルを取ったので、少し早いが名護市に向かおう。看板にうるま市の案内も出てきた。うるま市は沖縄中部に位置するが東側にあるからね。
さきほどの豪雨が嘘みたいに青空が見えるが、ゲリラ豪雨は予兆なく発生するため油断はできない。
道路沿いに共同売店の看板があるが、辺戸岬から頻繁に見掛ける。共同売店とは集落が共同で出資して運営している小売商店の事らしいが、沖縄の過疎地(本島北部)では一般的らしい。

逆にさらに過疎が進んでいる北海道では聞かないが、北海道だとセイコーマートがその役割を担っているような気がする。
そして青空が見えていたと思ったら、すぐに空が暗くなってまた雨がパラついてきた。本当に油断ならない天気だ。さっきの豪雨と比べると可愛いがそれでも雨は嫌。

雨が降ったときは心底クルマが羨ましくなるよ。路面も濡れていて神経を使う。
そして雨が激しくなってきた。早くどこかに避難せねば・・・。
休憩できそうな施設があったので一旦休憩しよう。

■ わんさか大浦パークにて
停車した場所はわんさか大浦パークという施設で結構大きいところ。道の駅ではなくて共同売店らしいが、辺戸岬から東側にこれだけ大きな施設はなかった。

(それだけ沖縄北部の東側は僻地といえる)
施設内は北海道フェアを実施していて別海ソフトクリームが期間限定で販売されているらしい。

今年の夏に野付半島(別海町)で食べたソフトクリームも別海ソフトクリームだろうか。沖縄から北海道は遠いが今年は両方にツーリングに行けたのは少し自慢。(^^)v
別海ソフトクリームの隣にシークワーサーのジュースがあったのでそっちを頼んでみたが、このジュースが相当酸っぱくてびっくり!

原液なのかわからないが、これが本来のシークワーサーなのかも知れない。店員に甘味が足りない場合はシロップを入れてくださいと言われたが、シロップを入れると何となく負けた気がしたので(何が?) 意地になってそのまま飲んだけどね。
土産コーナーに海ぶどうがあった。初日の国際通りで見たときは100gで1000円ほどと高額だったが、ここだと100g200円と非常に安価。国際通りの海ぶどうはサーロインでここの海ぶどうは切り落とし?(笑) これが本来の値段だと思う。
ここから歩いてすぐ先にマングローブ林があるらしい。マングローブにはあまり知見がなくて、知っているのは海や湖に生えている南国特有の植物ということだけ。貴重な植物という事はわかるのでちょっと見てみよう。
大浦のマングローブ林というらしいが、かなり大きい林のようだ。調べてみると県内で2番目に広いらしい。
早速、入ってみよう。湖の中を遊歩道が整備されていてマングローブ林に入ることができる。
人生で初めてマングローブ林を見てみたが、単純に湖の中に生えている木(表現が乏しい)以上の感情はなく感想もなし。こういったものは教養がないと楽しめないのでボクの場合は猫に小判状態だった。双眼鏡を借りて中をじっくり見ればさらに面白さがわかったかも知れない。ガイドがいれば楽しめると思うので学校の遠足なんかだといいかも知れない。
雨が降ったり止んだりの繰り返しだが、雨が止んでいるタイミングでわんさか大浦を出発する。
右折して名護市方面へ。
2日目に来た道の駅「許田」にやってきた。
沖縄本島東側から西側に戻ってきた。雨が降ったり止んだりで天気が不安定。
■ 道の駅「許田」~本部町へ
道の駅「許田」に来た目的は2日目に食べられなかった、おっぱのソフトクリームを食べる為。卑しいのが性分なのだ。
頼んだソフトクリームだ。味は濃厚だが若干量が少ない。沖縄県産100%の生乳で取れる量が多くないので少な目らしいが食べる価値は十分あるソフトクリームだと思う。わざわざ再訪問してよかったよ。
さて、これからどうしようか。雨が降っているしこれ以上走っても楽しくないので早めにホテルに入ろうかな。それともどこかの施設に行ってみるか。相棒とルートを再検討していると・・・
またもや凄まじい豪雨!道の駅「許田」の屋上のベンチに座っていたが、上は屋根のように見えて隙間だらけのブルーシートで雨が直撃する。すぐに屋根のあるベンチに避難するが屋根が小さいので御覧の通り。雨、本当に嫌いだ~っ!
1時間ほど雨をやり過ごして再び出発する。またも青空が見えてきた。一体、今日はどうなっているんだ?
名護市の市街地に入ったが、青空が益々広がってきた。これだとどこかに行くことができるかも・・・と相棒と相談して、美ら海水族館に行ってみることに。
今日泊まるホテルを通過して本部方面へ。空はまだ青いので本部も大丈夫かな?
本部町に入った。空が暗くなってきた。空ばかり気になるが、写真の通り、美人も多いらしいのでそっちも気になるよ。
美ら海水族館に近づいてきたが、またも急に天気が悪くなって豪雨になってきた!今まで数多くツーリングをしてきたが、こんなに天気の変化が激しいのは初めてだ。
豪雨の中、美ら海水族館に到着したがボクも相棒も油断して合羽を中途半端に着ていたために衣服は水没状態。

この状況では水族館は楽しめそうにないので断腸の想いでホテルに直行することにした。(風邪も引きそうだし・・・)
美ら海水族館から名護市に引き返すが豪雨が襲う。沖縄最終日に最後の洗礼を浴びているようだ。
衣服は水没して体も冷え切っているがとにかく安全最優先で。
何とか今日の宿泊先に着いた。今日泊まるホテルはフェニックスパークホテルというところ。とりあえず無事でよかったよ。
びしょびしょの状態でチェックイン。このホテル、古い建物をリノベーションしたようで部屋がかなりペンキ臭い。とはいえ、1泊4500円なので文句はいえないし、とにかく雨が凌げればいい。沖縄最終日だったが、本当にえらい目にあった。
道の駅「許田」から本部町の美ら海水族館を経由して名護市のホテルまで。

■ 夕食ぐらい豪華に・・・
今日は散々だったので夕食ぐらいは豪華にと・・・相棒とホテル近くの飲食店を探すが目ぼしいところは全て休み。最後の最後までツキがないが、途中で見つけた「遊び庭」という居酒屋へ。
沖縄ツーリングの最後なので沖縄名物を頼んでおこう。昼でも食べたが紅いものコロッケがとても美味しかった。この4日間、沖縄名物を食べに食べた気がするよ。
 
走行ルート

沖縄ツーリングの最終日は雨で散々だった。ただ、本島北部は絶好のツーリングルートでここまで走り甲斐がある場所とは思わなかった。天気が良ければ絶好のツーリングコースだと思う。明日は本部からフェリーに乗って鹿児島に戻る予定だ。

今日の走行距離:198km

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