SV650で鹿児島宮崎ツーリングに行ってきました(北九州~熊本~えびの~霧島~桜島~垂水)

<SV650で行く長距離ツーリング22>

本日のルート




10/12(土)

■ 北九州出発
10月も中旬に入り、ようやくツーリングに最適な季節となってきた。夏は実家で色々あって時間が取れなかったのと、猛暑でもあったのでツーリングどころではなかった。(夏はもはやバイクで走れる季節ではない)

実は今週末、日本列島に大型の台風が接近していて本来はツーリングどころではないはずだが、台風は関東を直撃して九州にはあまり影響がない様子。

台風が来る地域には申し訳ないが、会社員にとってこの時期の週末の快晴は非常に貴重なので、さっそく出掛けることに。今回も相棒ミスターエスと2人旅。
北九州市の天気は曇り。天気予報では九州北部は終日曇りで九州南部は晴れの予報。途中で雨が降らないかとても心配だ。
北九州八幡を通過する。北九州では黒崎バイパスの拡張工事が進んでいて、近い将来、春の町から直接黒崎バイパスへ合流できるらしい。

本来、公共事業は収益性がなくても地域や住民にとって利便性や防災など極めて高い意義があれば採算度外視でも建設すべきだと思うが(だからこその公共事業)、人口減少中の北九州市でこのバイパスを作ることに意味があるのかは複雑な気分。近い将来、自動運転で渋滞は確実に緩和されていくだろうし。とはいいつつ、バイパスが出来たら出来たで利用するんだけどね。
北九州から飯塚を経由して鳥栖方面に向かう。北九州から熊本方面に南下する場合、高速道路だと福岡市経由となって若干回り道になるのでボクは基本よほど急がない限りは下道(国道200号)で久留米方面に向かうことにしている。昔は北九州と久留米の定期バスも走っていたようだけど、九州は福岡市の求心力が年々強くなっており、今は福岡市を経由しないと目的地に行くことができないパターンがほとんどだ。

北九州から直方、飯塚と来て、冷水(ひやみず)道路を抜けて筑紫野まで走ってきたが、先に進むほど空がどんどん黒くなってきた。これ、本当に大丈夫なのかね?雨が降ってこないのが不思議な状況。

■ 高速道路をひたすら南下する
高速代をケチって下道を淡々と走ってきたが、このまま鹿児島まで下道で走ると到着するころには夕方になっているので、筑後小郡ICから一気に鹿児島を目指す。
筑後小郡ICからすぐ先の鳥栖JCTから熊本方面に南下する。九州人で鳥栖JCTを知らない人はいないだろう。福岡方面、熊本方面、長崎方面、大分方面はすべてここで分岐する。九州一のジャンクション。

鳥栖JCTを越えた先でバイクの集団が現れて次々と追い抜いていく。同じように鹿児島に向かっているのかも知れない。
福岡県を抜けて北熊本SAにて少し休憩。

熊本に来ると必ず現れる「いきなり団子」。アンコにサツマイモが入った団子だけど、北九州でもほとんど見掛けない。大分でも見ないから本当に熊本県内限定という感じがする。ボクは甘いものには目がないので団子も饅頭も大好きだが、個人的に一番好きな菓子は岡山の大手まんじゅう。
現在は北熊本SA。ここから高速道路でひたすら南下する。
熊本市を抜けた先で九州中央道の標識が。そういや、熊本から東九州自動車道に抜ける道を作っていたのを思い出した。延岡まで通すらしいが、全線開通するまでどれだけの時間を要するのだろうか?想像が付かない・・・。
八代を越えて人吉までの看板が見えてきた。熊本県もかなり南下してきたが、空はまだ相変わらずの状況。所々、青い空は隙間から見えていたんだけど・・・。ここから先は九州山地をガッツリ抜けるので、トンネルの連続となる。トンネルを抜けたら青い空が、というシナリオが頭の中を駆け巡る。

ちなみに八代IC~人吉ICはインターチェンジ間の距離が38.5キロで日本で一番長いらしい。地図を見てもわかるが凄い山の中を突っ切っているからね。
トンネルを何本か抜けると、晴れとは逆に一番恐れていた雨が降り出してきた。もう~、これだけは避けてほしかった。合羽も着ていないし、テンションが一気に落ちる。もう最悪。

目の前には九州で一番長い肥後トンネルが。このトンネルは6キロ以上あるのでこのトンネルを抜けると晴れ間が広がっていることに期待しよう。
長いトンネルを抜けても状況は変わらず・・・。相棒と二人で落胆する。相棒は究極の雨男だからね。仕方ない。
半分諦めモードだったが、淡島トンネルを抜けたときに少しずつ晴れ間が見えてくるようになり、人吉に来る頃には完全な晴れに!ああ、良かった。このまま雨の中のツーリングになるのかと思ったよ。
そのまま熊本県を抜けて宮崎県のえびのICで下道に降りる。久々に高速道路で長い距離を走って一気に九州の北部から南部にやってきた。以前のNinja(250㏄)だと疲労困憊になるが、SVは650㏄だから高速走行が楽。ボクみたいに長距離走る人間は排気量はある程度必要と実感する。

■ えびのから霧島へ
えびのICを降りたすぐ先の道の駅「えびの」で昼食を取ることにする。バイキングで1150円。えびのっ娘という手を抜いた感じの店名だ。
えびのっ娘のバイキングは種類が豊富で1150円とは思えないほどパフォーマンスがいい。そして味もGOOD。ゴールデンウィークで栃木のスーパー銭湯で食べたバイキングより断然上。最近の道の駅の食堂は観光地価格が多い中、こういったコストパフォーマンスがいいところは素晴らしいと思う。ちなみに宮崎県は日本で一番物価が安いらしい。東京で稼いで宮崎で生活すれば暮らしは楽になるかも・・・。(嘘)

そういや子供のころ、(物価の安い)中国で300万ぐらいあれば一生働かずに生活できるという話があった気がする。今はありえないが。
食事の後はえびの高原に向かう。えびの高原から霧島温泉郷へ。

前の軽トラだが、横道からゆっくりと飛び出してきた。アブねー。

田舎の年配者(だと思う)は極端に運転が荒いのと極端にスピードを出さない2種類がいて、どちらもやっかい。運転が荒いのはもちろんNGだが、極端にスピードを出さないのも周りに気配りができない自分本位のタイプだから運転技術が極端に低く、これはこれでやっかい。
えびの高原をグングン上る。この辺りを走るのは何年振りだろうか。7~8年振りぐらいか。かなり高い位置に来たからか空も雲がほとんどなくなって快晴。とても日本に台風が近づいているとは思えない雰囲気。
えびの高原の頂上にやってきた。前に見えるのは韓国岳(からくにだけ)。天気がいいから山がよく映える。昔はここに鹿がたむろしていたが、今回は鹿を見かけない。
えびの高原頂上から小林方面と霧島方面に分岐する交差点があるが、小林方面は現在、新燃岳(しんもえだけ)噴火の影響により通行止めらしい。必然的に霧島方面へ。
今度は霧島方面へどんどん下っていく。青い空と緑の木が本当によく映える。こういった道を走っていると心が洗われる気がするよ。普段、会社という俗世間で毎日真っ黒に汚れているからね。
霧島温泉郷に降りてきた。霧島いわさきホテルが見えてきた。実は霧島いわさきホテルは一昨年(2017年)に休館したらしい。何度か泊まったことがあったけど、毎年、レベルが落ちていた気がしていたのは確かだった。最後に行ったのは2016年7月だったかな。

霧島いわさきホテルには外に緑渓湯苑(りょくけいとうえん)という凄い大きな温泉があったのだが、これも閉鎖されたと思うとかなりもったないないと思う。今まで入った温泉の中でダントツに大きい温泉だったからね。
霧島ホテルに到着。相棒と話をして大きな温泉に浸かりたいということで今回選んだ温泉。実は7年前、おふくろの還暦祝いをしたのも霧島ホテルでボクが自信をもっておススメできる温泉だったりする。
霧島は坂本龍馬のゆかりの地でもあったりする。神戸海軍操練所が閉鎖されたときに勝海舟の助けで薩摩藩に養護されたのは有名。そのときに妻のおりょうと傷を癒すために旅行をしたのがここ、霧島温泉。新婚旅行の始まりと言われているらしい。
霧島ホテルの硫黄谷庭園大浴場。日帰り入浴のみだと1000円と安価なのでおススメです。

https://www.kirishima-hotel.jp/spa/

■ 桜島へ向かおう
霧島ホテルを後にして桜島に向かう。

途中、道の駅「霧島」から桜島が見えるというので展望台から見てみるがどれが桜島かはよくわからない。もっと近づいてみよう。
霧島を抜けて旧国分市街地へ。

昔、何度か出張で旧国分市に来たことがあるが、記憶にはまったく残っていない。
旧国分市を抜けて国道220号を走っているとようやく前方から桜島らしき山が見えてきた。
途中、黒酢の看板が。そういえば、鹿児島といえば黒酢が隠れた?名物らしい。鹿児島は黒酢や黒糖、黒豚など、黒がつく名物が多い。でも天文館むじゃきのかき氷は白だけど(笑)

黒酢は壺に大量に格納していたのを何かのメディアで見た記憶がある。黒糖は奄美大島だったかな。薩摩藩の圧政により黒糖を召し上げられて、飢饉のときは毒のあるソテツまで食べて飢えを凌いでいたが、黒糖はすべて召し上げられていたらしい。薩摩藩が強藩であったのは庶民から徹底的に搾り取った歴史もあったのだと思う。
そしてトラス橋が見えてきた。いよいよ桜島に入る。
桜島に入った途端に道路が灰で汚れている。前方も黒い粉塵が飛んでいるがあれは火山灰?
さらに景色も火山灰で黄色掛かって見える。ヘルメットのシールドにも火山灰が付着して視界が悪くなる。
道の駅「桜島」に来た。駐車場は火山灰だらけでクルマが通った形跡が見事に残っている。昔、鹿児島に来た時に火山灰が降ってきて驚いたけど、今日も相変わらず凄い。鹿児島は毎日こんな感じなのだろうか?火山灰は体にも悪影響がありそうな気もするし、生活しづらいのではなかろうか。
とりあえず桜島の大きさを確認したいので、近くにある湯之平展望所へ行ってみよう。
湯之平展望所までのルートを確認していたら、テレビで台風情報が入ってきた。関東は大雨特別警報が出ていて危険な状態らしい。(こんなときにツーリングをしていて申し訳ない)
気を取り直して、道の駅を出発して走っていると途中で桜島が見えてきた。
ぐんぐん、山道を登ってほどなくして湯之平展望所へ到着。少し噴火の後が見えるが桜島の形が綺麗だねと眺めていると・・・
ドカン!といきなり噴火。一瞬焦ったが、周りの人は動じていないのでこれが日常なのだろう。恐ろしいところだ。
噴火は少し怖いが湯之平展望所から見る桜島は景色抜群で、リアルタイムで噴火が見えるところは日本でここだけだと思う。

■ 垂水へ
湯之平展望所から降りる際の道も火山灰だらけ。雨が降ったらバイクだと本当に危険だと思う。雨が降っていなくても慎重に坂を下る。
相棒と相談してこのあとはフェリーで鹿児島市内に出るか迷ったが、温泉に入って思いのほか疲労が出てきたので、今日は早めにホテルに入ることにする。垂水のビジネスホテルが空いていたのでホテルの予約をして垂水へ向かう。
垂水市に入り、道の駅「たるみずはまびら」へやってきた。ここは相当大きな道の駅で建物も新しい。最近できた道の駅だと思う。
少し早いが、この道の駅で夕食を取ることにした。中で併設されている食事処でエビ食べくらべ丼を頼んでみたが、値段(1400円、税別)の割に味はイマイチ。完全に失敗。
食事が終わって、道の駅の真横にあるホテルAZ垂水へ。ホテルAZは九州では有名なチェーン店で駐車場が必ず無料で用意されていることと、朝食無料、1泊4800円(税別。会員になれば4500円)とリーズナブルでライダーにとってもかなり使い勝手がいいホテル。バイクも何台か停まっているようだ。

初日は最初は天気が悪かったけど、えびのから天気が快晴で非常に充実した1日で、とにかく桜島の噴火が強烈だった。明日は定番の佐多岬に行った後は宮崎方面を走りたいと思う。

今日の走行距離:398km


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